鍛島 勇作
私は24歳から29歳までの約5年間で貿易の仕事と旅を通して30カ国以上訪れた経験があります。その中で、最も印象的だったのが、他ならぬ「ビール」です。世界どの国にも共有して飲まれていたお酒は、ビールでした。
ビールの歴史は、4000年前のエジプト文明の頃より飲まれていたと言われています。その後、ビールは、世界のその土地の文化や伝統と共に根付き、人々の生活を豊かにし、平和の象徴として存在していました。そのパワーに魅せられ、地元熊本に帰国後、熊本から世界へクラフトビールビジネスを持っていきたいという思いの元、ビアホールをオープンします。
その後、世界で出会ったクラフトビールをセレクトし、経営も右肩上がりで成長していく中、「自分たちでビールを作りたい」という思いは強くなっていきました。
「世界中の人々に私たちが造るビールを飲んでもらいたい。」との思いから、マイクロブルワリーの建設計画を立て始めました。
そんな中、2016年4月熊本を震源とする震度7の破滅的地震を2回も経験します。私の経営するビアホールは、震源地から数キロの場所に位置していたため、復旧が見込めない程のダメージを受け、絶望しました。
同時に、自分たちにできる事は何なのかを改めて考えるきっかけになりました。
無料の炊き出しと、無料のビールの提供を行いました。
こんな時にアルコールであるビールでいいのかと、最初は疑問も感じながらやっておりましたが、訪れる皆さんの笑顔や涙を流す姿を見て、自分たちに出来る事はこれで間違いないと確信へと変わっていきました。
その後、2016年9月、熊本から世界を見据えたクラフトビールメーカー、株式会社ダイヤモンドブルーイングを設立。
ブルーイングとは、ビール醸造所という意味があります。
そして、ダイヤモンドには「クリア(公明正大)な経営」「硬く強い意志(石)」「永遠に輝く会社」「魅せる仕事」「全従業員が輝ける職場」「心と技を磨き続ける」や、「純潔・清浄無垢・純愛・永遠の絆」といった宝石言葉等の思いを込めています。
私たちは、「ビールは農業だ」と考えます。
熊本は農業大国で、数えきれないほどの農産物が存在します。
生産者、企業、行政、JAと共に取り組み、これまでに50種類以上のビールを生産してきました。
6次産業化も担い、SDGs、サーキュラーエコノミー、DX化のビジネスモデルを構築し、よりたくさんのクラフトビール製造ができるよう活動しております。
古き文化を守りつつ、新しいクラフトビール文化とテクノロジーを駆使したビール醸造と販売を進めてまいります。
2023年には、缶ビール製造ラインを導入した新工場の新設を視野に進め、醸造プロセスには、AI・IOTを融合した生産を行います。
日本一、世界でクラフトビールを売る会社を目指し、世界の人々を我々のクラフトビールで笑顔にしていきます。